転職・退職を考えているとき、多くの人が「手続きのこと」を後回しにしがちです。でも、知らないだけで数十万円損をすることがあります。
退職前に必ず知っておくべき労働法・社会保険の基礎を、厚生労働省・ハローワークの公式情報をもとにまとめました。
1. 有給休暇:退職前に必ず消化する
有給休暇の基本ルール
労働基準法第39条により、雇用後6ヶ月継続勤務し、所定労働日の8割以上出勤した労働者には有給休暇が付与されます。雇用形態(正社員・パート・アルバイト)に関わらず適用されます。
| 継続勤務期間 | 付与日数 |
|---|---|
| 6ヶ月 | 10日 |
| 1年6ヶ月 | 11日 |
| 2年6ヶ月 | 12日 |
| 3年6ヶ月 | 14日 |
| 4年6ヶ月 | 16日 |
| 5年6ヶ月 | 18日 |
| 6年6ヶ月以上 | 20日 |
重要:退職時に有給が残っている場合、会社は原則として買い取りを行う義務があります(ただし義務ではなく、労使合意が必要)。確実なのは退職前に使い切ることです。「有給を使わせてもらえない」は違法行為の可能性があります。
2. 失業給付(雇用保険):退職後の収入を守る
受給できる条件
ハローワークで手続きすることで受け取れる「基本手当(失業給付)」。受給には以下の条件を満たす必要があります。
- 雇用保険に加入していた期間が離職前の2年間に通算12ヶ月以上(会社都合の場合は6ヶ月以上)
- 就職する意思と能力があるにもかかわらず就職できない状態
- 積極的に求職活動を行っている
自己都合と会社都合の違い
退職理由が「自己都合」か「会社都合」かで給付開始時期が大きく変わります。
| 自己都合退職 | 会社都合退職 | |
|---|---|---|
| 給付制限 | 2〜3ヶ月の待機あり | なし(7日間の待機後すぐ) |
| 給付期間 | 90〜150日 | 90〜330日(年齢・勤続年数で変動) |
「自分から辞めた」場合でも、ハラスメント・長時間労働・賃金未払いなど正当な理由がある場合は「特定理由離職者」として会社都合と同等の扱いになる場合があります。窓口で確認することをおすすめします。
3. 離職票:必ず受け取る
退職後、会社から「離職票」を受け取る必要があります。これは失業給付の申請に必要な書類です。
- 退職後10日以内に会社が発行義務を負う
- 届かない場合はハローワークに相談
- 健康保険証は退職日に返却(国民健康保険か任意継続に切り替え)
4. 転職先が決まってから辞めるべき3つの理由
- 収入の空白期間がなくなる:失業給付は自己都合だと最大3ヶ月支給されない
- 在職中の方が採用されやすい:「なぜ辞めたのか」より「なぜ転職するのか」の方が面接で答えやすい
- 焦りで判断が歪まない:収入がなくなる焦りから「とりあえず内定をもらえた会社」を選んでしまうリスクがある
まとめ:退職前チェックリスト
- ☐ 有給残日数を確認し、退職日までに消化計画を立てる
- ☐ 雇用保険の加入期間を確認する
- ☐ 退職理由が「会社都合・特定理由」に該当しないか確認
- ☐ 離職票・源泉徴収票・年金手帳の受け取りを確認
- ☐ 健康保険の切り替え方法を事前に調べる
- ☐ できれば転職先を決めてから退職届を出す
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